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◆ 阪神入団2年目、23試合目で ◆
静かに吐き出す言葉に実感がこもった。阪神入団2年目にしてつかんだ待望の移籍初勝利。昨季を含め23試合を要したからこそ、1勝の重みはこれまでと違った。日本ハムに在籍した07年7月11日のオリックス戦以来、実に788日ぶり。金村暁の通算89勝目は格別のものになった。
「素直にうれしい。昨年から期待され続けて、まったく期待に応えられなかった。いま中継ぎでやってますが、どんな形であれチームに貢献したいと思っていた」
登板は1点ビハインドの5回から。先頭のフィリップスをフォークで、続く栗原をカットボールで2者連続の空振り三振。直後に2安打を許したが、赤松を二飛に仕留めた。先発でも中継ぎでも気持ちに変化はない。魂を込めた24球が直後の逆転劇につながった。「8回くらいからみんなニヤニヤして僕を見ていました」。仲間の視線で勝利投手の権利があることに気付いた。それほど試合に集中していた。
今年の初先発だった7月17日巨人戦の試合前。極度の緊張から、吐き気に襲われた。「もうこれでダメだったら戦力外だと思ってたから」。そこには家族の存在があり、野球選手としてのプライドがあった。瀬戸際を覚悟していたからこそ、奄美自主トレから激しく自分を追い込んできた。
移籍後初勝利はパパとして初めて飾った1勝でもある。グラブと帽子のツバの裏に1歳8カ月になる双子の名前を刻んでいる。「もう立って家の中ではしゃぎまくってるよ」。初めて覚えた言葉は「パパ」だったという。「ウイニングボールは家に飾ります。家族に迷惑を掛けてきたんで」。愛息と夫人に捧げる白星に笑顔は続いた。
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